今年はなんだかんだいって雪は良かったようです。GWも各地で雪が降り、凸凹斜面もリセットされた場所も多かったのでは無いでしょうか?
しかし今シーズンも昨シーズンに引き続き全然出動出来ておらず、なんだか勿体なかったなぁと思う今日この頃です。
GWはスタートからグズつく天気の日が続いていましたが、4日(火)は晴れの予報なのと、また先輩からのお誘いもあり、新潟県にある300名山の一つである「焼山(標高2,400m)」に滑り納めに行ってみることにしました。
2年目となる我慢のGWですが、この1週間は室内にこもりっ放しでした。そしてやる事といえばデスクワークばかり。ダラダラ仕事は効率の悪い仕事の仕方です。3-4月は偏食、睡眠&運動不足から体調を壊したりしましたので、リハビリがてらお気軽に〜♪のつもりで臨みました。が、焼山BC、、とんでもなく身体に堪える山行となってしまいました。
◾️今回のコース
6:00 笹倉温泉の先の橋の手前にある駐車スペースを出発(標高518m)
9:00 アマナ平
11:00 展望台(のちょっと先)標高1,222m付近
昼ごはんを食べなが、ここで敗退を決意…
11:40 ピストンコースでトボトボと帰ります
13:00 つづら折れの林道(シートラで移動)
14:20 駐車場到着
展望台はほぼ平らな雪原です。ここからコースタイムで2時間弱もハイクアップすれば焼山中腹の北斜面ですが、今日のコンディションだと3時間以上はかかってしまう計算です。
焼山と火打山の素晴らしい絶景を後に、帰ることにしました。
コースマップ
台地の起伏がやや複雑なのと、夏道の道路は雪の中の為、迷い易い地形だと思いました。ちょこちょこ登り返したり下ったりする場所があります。
※起伏が分かりやすいように山の稜線の影を描写してみましたが、分かりますでしょうか💦
北陸道の能生ICより笹倉温泉を目指します
前日は20時に仕事を終えパッキングを開始。23時半に出発しました。時間優先の為オール高速道路で行きます。明け方には北陸自動車道の能生ICを降り5時前には現地に到着しました。笹倉温泉の先の橋の手前に数台駐車されていましたので、その並びに駐車しました。
のどかだ…
都心からだと5時間以上の運転となりかなりの長時間運転となります。前回糸魚川から新幹線で帰りましたが、それとほぼ同距離を運転したことになります。仮眠が取れないまま朝食をとり、出発の準備にとりかかりました。気持ちお腹の調子も悪い様な…スキーに行くなら無理して直前まで仕事なんてするんじゃなかったかなぁ。。
融雪が進み、雪をつないで滑り降りるにはギリギリ
早速、橋を渡りつづら折れの長い林道に取りつきました。既に融雪が進み、橋のすぐ先には雪は無く板を背負って歩きます。
お!?雪が出てきた
つづら折れの林道に積もる雪はこのように斜面に対して積もるので、一旦雪面に乗ると中途半端なトラバース気味な歩きになりやや面倒くさいです。
ふきのとうだ!
雪解け水が流れる林道の端にはふきのとうが群生していました。春やねぇ♪
棚田が広がる原風景
さすが米所ですね。
めちゃめちゃつづら折れが続きます
次第に雪がつながってきました。
シール歩行に切り換えます
いかにも春スキーらしい汚れた雪ですが、シャーベット状で、歩きでもアイゼンは不要な感じでした。それにしても暑いです。Tシャツ一枚でも登れそうな陽気です。グローブも暑くて外しましたが、コレは着けておくべきでした。あとで日焼けや小傷などで指先やら手をやられました。
今回は、やたらと道に迷うぞ
つづら折れの林道が終わると、まるで道を寸断するかのごとく倒木が横たわっていました。(後述しますが、この事を帰り道ですっかり忘れていてルートを外してしまいました。アブナイアブナイ。)
それを越えるとまたダラダラとした緩いカーブの林道が続きます。既に先輩の姿は無く、ポツネンと一人取り残されてしまいました。
凸凹した雪面
流石にあまり人が入っていない様でトレースが消えてしまっているところ多数です。広いので迷い易く、右に降り過ぎると川に近づき過ぎ行き止まり、左に寄りすぎると岩場が行手を阻んだりと、まぁ素直に林道を行けば良いのですが、その林道が雪で埋もれているので分かりづらくとても厄介でした。
雨で流れた様な凸凹な跡がトレースをかき消す
ついつい雨の流れた汚れの線を追いかけてしまいますが決まってルートを外れてしまいます。GPS(スマホのですが)で、道を逸れないよう注意して歩きました。
焼山が見えました!
何箇所か斜面を乗り越すとようやくアマナ平に到着です。
アマナ平です…この先もう一段上がる感じです
ここは流石に迷いません。正面の斜面をまたよじ登るのですね。
活火山らしく焼山山頂から水蒸気が立ち上ります
時折、焼山正面にこれから向かう大斜面が見えますが、疲れからかテンションは上がらず、まだまだ遠いなぁという印象です。
スプリットボードのオネーさんが颯爽と抜いて行きました。その後、再び斜面に差し掛かる頃には数人のスキーヤー集団にも軽々と置いて行かれました。彼らはまるで平地を歩いているかのごとく斜面を淡々と登って行きます。凄いな。
「オレは、この程度の斜面を登れていない…」
元々下手くそなハイクアップですが、今回は異常なまでに斜面に対し「the DOGEZA style」です。まるで地面にキスしちゃうかってくらいの勢いです。ハイク姿勢で重心を後傾に出来てないってのもありますが、そもそもリバウンドで体重増っていうのが恐らく一番の理由な気がしています。。仕方がないので要所要所でカニさん歩きも使いました。
今回のコース、斜度のキツい箇所は本当にそう多くは無いなのですが、つづら折れをショートカットする斜面などは苦手なキックターンも多用して登らざるを得えず、お陰でかなり余計な体力使いまくりました。この辺りから既に敗退モードが濃厚になってきました。
ザラメ雪…上は更にコンディション良いのだろうなぁ
展望台に着く頃には「ライフ」消耗しきってました…
いくつかの急斜面?(に見えた)を越え、林道を横断する感じで、その上の台地にようやく乗り上がりました。
えー焼山がまだまだ遠いよぅ…
夏道では、ここはまだ「登山口」ですらありません。なんだこの疲れ方は!?半端ない疲労感に自分がどこをどう歩いてきたかも記憶があやふやになってきました。
振り返ると日本海が見える素敵な景色…新潟県ならでは…でも余裕無し
あんなに沢山の先行者がいらしたのにトレースが薄くて見失い、広い台地をウロウロしまくりました。更に体力消耗の悪循環ですね。。
雪質はより良いザラメになりましたが…
遂にあの考えが頭をよぎりました。
「遭難…しちゃうカモ???むふーっ」
天気も最高だし風もなく穏やかで見通しもハッキリで、かつてないくらい良好なコンディションですが、甘ったれた根性がニョキニョキと出てきて、その思いに飲まれ、完全にバテてしまいました。
まるで「旅に出ます!」と言って勇んで出掛けたものの家が恋しくなり、その玄関先で倒れてしまったようなものです。(まぁ玄関先迄が長いコースではあるのですが!)
こうなったらもう動けません。
と、そこに2時間近く待たせたであろう先輩のお姿が!?あらー林道振りっす、お疲れっす。(タハハハ…)
で、次の瞬間、
「ここでやめた方がいいよ。遅過ぎ〜。」
の宣告が、
絶景なんですが、、
焼山…うーん相変わらず遠いデスネ
正面の木立の斜面まで今日は行ける気が全くしません。先輩だけ先に進みます。先に引き返すよう指示を貰いましたが、帰り道すら不安で仕方ありません。
今日はここまで!
標高1,222m付近。駐車スペースが標高518mでしたので、高低差704mになんと5時間もかけてしまったという訳です。こりゃアカンやつや。
コースの状態や天候などにもよりますが、例えば前回の猫岳BC(乗鞍23峰の一つ″猫岳″BCスキーに行ってみる - ワンゲル部の記録長さん)の時と比較しても1時間で稼いだ高低差は183m→140mと単純計算で76%までダウンしています。猫岳BCの時も既にいつもよりバテバテだったので、今回は更に悪化としたと考え、常人の半分のスピードつまり2倍の時間をかけてしまっていたのでは?という計算が成り立ってしまいます。
火打山と影火打山
「あーあ、またゾンビになってしまった。。」
山ゾンビとは:己の技術不足、経験不足、体力不足の全てを棚に上げ、何よりダメな理由を並べ始めて既に屍と化したはずだが、何らかの力により一見蘇って歩いているようにも見える不思議な現象…実際には色々機能していなく、過去何度となくコレで同行者に多大なる迷惑をかけ、ともすれば遭対協さんやココヘリさんのお世話にだってなりかねない最低ポンコツな状態を指す。
考えてみれば、準備不足の段階からなるべくしてなってしまったと思います。反省。無理せず引き返すお達しに我に返る事が出来ただけでも良しとします。
昼ご飯を食ってもなんだか元気が出ず、引き返します…
チョコパイ持ってきましたが、モソモソして喉を通らず温かい紅茶で流し込みました。あとゼリー、羊羹、パンとかとか。何か食べても元気になる気配がありません。て言うか食べたく無いので無理矢理食べている感じです。
哀愁漂う自分のトレースを、辿ります
帰り道は驚くほど道を覚えていませんでした。行きに下った数箇所だけは、帰り道は登りかな?とか思っていたので、かすかに記憶にある感じではありましたが。
斜度が緩い分どう滑り降りるべきか本当に方向感覚が無くなりつつあります。ギリ残っていた「帰り道を滑り切る」という気力が切れてしまったらと思うとゾッとします。
さっきまで土下座していた斜面が、一転ありがたい滑れる斜面に!
こうやって俯瞰すると台地地形なんですね…今更ですが
上とは違ってだいぶ凸凹な斜面ですが、滑って降りられる斜面はまだマシでした。アマナ平などはシール無しで歩く様なもの。もしかして上手い方々は周辺の斜面をうまく使って滑って降りたりするのかしら??
天然パチンコ台な木
至る所にある雪で寝てしまっている木の枝たち。こいつにウッカリ乗って刺激を与えるとバッチーンと跳ね返ってきますので避けて通ります。
つづら折れの林道まではスマホのGPSを頼りに進む事ができましたが…
かなり道路だと分かる地形
このように進むべき道が上から見渡せるところは良いのですが、最初に取り付いたつづら折れの林道の入り口が見つかりません。
スマホのGPSも丁度ここで地図(山と高原地図)がエリア外になる寸前のところなのですが、ギリギリ現在位置が表示され、自分の今いる所が川側に降り過ぎている事に気付きました。改めて板を背負い滑った斜面を上がりますが、ツリーホールにハマったりと散々な目に合いました。で、ようやく思い出したのですが、
「そうだ!倒木で道が寸断されてたんだっけ。」
目印の倒木を見つけてからは復帰は早かったですが、一歩間違えれば今までのプチ道迷いと違って完全に道迷いするところでしたので危ないところでした。。疲れ過ぎー。
この林道がまた長い…
つづら折れの林道はスキーで滑って降りる事もできる状態でしたが、この倒木を乗り越えてからは更に気力が無くなり、シートラでそのまま歩いてダラダラ降る事にしました。
ただいまー
つづら折れの林道に取り付いてから1時間以上は経過したと思います。滑れば半分以下の時間でしたでしょうが、スキー板を脱いだり履いたりするのも面倒でしたので、今回はコレで良しとします。
遅れる事30分程で先輩も駐車場に戻って来ました。早!結局別れた後1時間半ほどで標高1,800m付近まで行き、そこから林道含め全部滑って降りてきたそうです。流石20数年以上山スキーをやっているベテランです。尚、私が足を引っ張ってしまいましたので、先輩到達地点も当初目標からは相当ビハインドされてしまいました。
で、駐車場で反省会していて、
「道忘れるほどバテちゃダメ」
と叱られました。本当ですよね、既の所で気付かせてくださりありがとうございました。まぁある意味アウトでもありましたが。
今回は、
「下手な横好きでもいいじゃないか笑」
では済まされないカモ?しれない貴重な経験でした。日頃の体力作りも必要ですが、経験量は併せて大事ですね。疲れない歩き方、地形の読みなど。
また下調べ不足、準備不足、体調面を整えるなどなど、事前にできる事も多々ありましたが、怠ってしまった結果だとも思います。
これに懲りず、また経験を積み上げていきたいと思います。先輩ありがとうございました。