ワンゲル部の記録長さん

山ですぐバテちゃう記録長さんの日記

北アルプス〜烏帽子小屋、野口五郎小屋に行ってきました<前編>

2年ぶりに北アルプス裏銀座コース行ってきました。登山自体も久しぶりです。

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今回も野口五郎小屋の小屋閉めをちょっぴりだけお手伝いです。登山を始めて35年目〜下手の横好きを是としノンビリやってきましたが、プロを前に色々と思うところがある山旅となりました。

(前回: 今年も野口五郎小屋に行ってきました - ワンゲル部の記録長さん)

◾️今回のコース

9/19(月)

 07:40 ブナ立尾根#12  出発

 13:40 烏帽子小屋 到着(泊)

9/20(火)

 10:00 烏帽子小屋 出発 ※お花畑コース

 13:30 野口五郎小屋 到着(泊)

9/21(水)

 07:50 野口五郎小屋 出発 ※稜線コース

 11:20 烏帽子小屋 到着(昼休憩)

 13:00 烏帽子小屋 出発

 16:20 ブナ立尾根#12  到着

f:id:uccari8:20220921225644j:image槍と水晶に挟まれた野口五郎岳

ブナ立尾根をぼちぼち登る

19日(月)※敬老の日は、台風14号が日本列島縦断しました。午後から稜線は風が強かろうと烏帽子小屋泊まりとしました。

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昭文社 : 山と高原地図 引用 36 鹿島槍五竜岳

出発の濁沢(にごりさわ)。ここの丸太橋は雨でよく流されますが、前の橋は4年もったそうです。そして今月中旬に流され、新しく架け替えられた橋がこちら。

f:id:uccari8:20220922075128j:image行きの様子

f:id:uccari8:20220922075242j:image帰りの様子…削れとる…

台風でまた流されないか心配でしたが、大丈夫だったようです。。

そしていよいよ12番から0番の烏帽子小屋を目指し登山開始です。

f:id:uccari8:20220922224125j:imageこの先、水場なしの看板前で、なんと2Lの水を溢してしまう…

ここで靴紐を結び直す際、ザックに腰掛けた為、背面に入れていたハイドレーションの水がチューブから流れてしまいました。

花崗岩の砂は水をよく吸うので溢れているのに気付かなかった様です。スタートでいきなり水無し状態となり愕然。ペットボトルのポカリ頼りで、ゆっくり"全番数"休憩するつもりでぼちぼちと行く事にしました。

f:id:uccari8:20220922223833j:image8番で早々にダウン。天を仰ぎ、しばし仮眠。
f:id:uccari8:20220922210144j:image足にくる勾配のキツさよ。
f:id:uccari8:20220922210140j:imageポツンとダケカンバ。まだ青空がチラリと見える、、

三大急登のブナ立尾根は12番から高低差1,200m程ありますが、距離にすると3kmちょっとです。

f:id:uccari8:20220922231631j:image4番の三角点を超え、未だ見えるダム湖から雲が湧き上がる。

なので、いくら歩いてもエメラルドグリーンのダム湖がチラチラ見え、高瀬ダムの堆砂対策で動く重機の音がゴトーンゴトーンといつまでも聞こえてきます。
f:id:uccari8:20220922210132j:image秋の装い
f:id:uccari8:20220922210148j:imageオオカメノキの赤い実
f:id:uccari8:20220922210125j:image和風ブルーベリー

台風の影響で、2番を越えたあたりから風が吹き始め雨もパラパラ降り出しました。
f:id:uccari8:20220922210118j:image烏帽子小屋到着…

台風対策済みの烏帽子小屋に昼過ぎに到着しました。
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玄関をくぐり、雨具を土間に干し、ザックはザック室へ、その他の服は乾燥室へ。

f:id:uccari8:20220922210122j:image広い食堂
f:id:uccari8:20220922210114j:image落ち着く一番端の「チングルマ」の間で寝泊まりです

手荷物は部屋に運びました。

ここ、烏帽子小屋は、五郎へ行く途中で何度か立ち寄りましたが、泊まるのは初めてです。なかなか広い館内で落ち着きます。

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BS日本百名山 : 野口五郎岳裏銀座ルートの最高峰〜 引用 「野口五郎岳 〜裏銀座ルートの最高峰〜」 - にっぽん百名山 - NHK

夕食後、食堂で明日行く「野口五郎岳」の番組を視聴しました。インフルエンサーのちゅーたさんがナビする(野口五郎岳は300名山ですが)日本百名山という番組です。

遭難事故!?が発生

テレビを見た後、警察官5名が遅い時間にブナ立尾根から登って来ました。どうやら近くで疲労で行動出来なくなった方の救助に向かう為のようです。え?台風接近のこのタイミングで??不安がよぎります。

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信濃毎日新聞 引用 

大町署によると、北アルプス不動岳(標高約2600メートル)付近で19日午後、疲労により動けなくなった千葉県松戸市の会社員男性(59)から救助要請があった。男性にけがはないもよう。同署山岳遭難救助隊と北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊が救助に向かっている。

北アルプス不動岳で男性遭難(19日)|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト

この日結局23時位まで消灯される事無く、館内が慌ただしい状況でした。外は台風14号の接近でますます風雨が激しくなってきました。

f:id:uccari8:20220927090758j:image明け方より天気も回復へ

翌朝、食堂で警察官と並んで朝ごはんを食べている救助者の姿がありました。怪我なく救助されてまずは良かったですが、警察官5名に小屋番の方も夜中まで対応されご苦労だったと思います。

プロ故のジレンマってあるカモ??

自分も今回トレーニングを怠ってきた事を省みつつ、身の丈のあったコース設定、天気やルートの事前情報把握と地元入手の情報、装備と優先順位認識、そして危険予測に関わる経験値を磨く事で遭難は絶対に回避すべき事項だと痛感しました。

f:id:uccari8:20220927091918j:image急速に天気回復。風向きも吹き返しに。

またプロは「そうじゃない条件」が重なっても、人命救助など他の優先事項の為にリスクを承知で"その領域"に踏み込まなければならない立場なんだなとも、しみじみ思いました。

尚、遭難された方は更にその翌日に警官と民間救助隊と一緒にロープで確保されながらブナ立尾根を無事降りられたそうです。

次は野口五郎小屋へ向かうよ

f:id:uccari8:20220928083714j:image烏帽子小屋の外トイレ。後編は五郎小屋のトイレ掃除についてです。

青空も出てきましたので、烏帽子小屋を後にし、野口五郎小屋に向けて出発しました。

 

<後編>に続く…北アルプス〜烏帽子小屋、野口五郎小屋に行ってきました<後編> - ワンゲル部の記録長さん