今度パイセンとハマイチ(ロードバイクで浜名湖一周)でも行こうかって話になり、それまで鉄下駄クロスバイクBianchiちゃんでトレーニングに励む事にしました。
色々自粛生活が続きメタボ復活気味が気になる今日この頃、再び身体を絞るべく梅雨の晴れ間は出来るだけ走ろうと夜な夜な40〜60kmほど走っていたのですが、意外に夜って晴れてるのね…坂の多い横浜の道を重い鉄下駄でプチクライムする出動回数が増え、相当に堪えてしまいました。。
そろそろホイールでも変えるかぁ( ´Д`;)
でもクロスバイクのホイール(リアOLD:135mm)はディスクブレーキのホイールでも無い限り良いのがありません。130mmのロード用ホイールを流用してスペーサーなどで無理矢理履くか135mmのホイールを自分で組むかしか無い感じです。という事で、無理矢理っていうのはちょっと嫌なので135mmのMTBハブで手組ホイールにチャレンジしてみる事にしました。
ただ、この手の話になると駆動部分だけに正しい理解が必要になるし、また著名な職人の方々による理論のほんの一部に触れるだけで、「難しい…あー俺には無理だぁ〜」って感じになっちゃいます。ですが今回は己の中の「失敗しちゃってもいいから先ずは作ってみようよ」っていう創作魂に火がついちゃった感じになり、やってみる事にしました。
リムは定番のTNI AL300にしたよ
色々ネットを物色していると、過去よりTNIの軽量アルミリムで手組している方が多い事に気づきました。なのでパッと見のカッコ良さから今回はAL300というリムハイト30mmのアルミリムにする事にしました。
カッケー!!
でもこの後、己の無知さ加減との戦いが続く事に。。
このリム大変剛性もありまた精度も高く何よりカッコいいのですが、リム内幅は13.6mmのナローリムでした。購入時にリム外幅の18.3mmという数値だけを見て勝手にワイドリムと勘違いするお馬鹿っぷりでした。(リムハイト30mm以上のワイドリムが欲しければリム内幅19mmのTNI AL31Wデスネ。。※注 AL31Wはチューブレスレディ対応とか)
コンチネンタルのウルトラスポーツ3の25c(並行輸入品2本6,300円で安い!)というタイヤを買っちゃった後で気づきました。。
まぁでも25c ÷ 13.6mm = 1.8382.... と「1.4~2.4」の範囲内という事で適性との事らしい。よしよし。
最初リアだけ組もうとリアハブのみを買い、そして組み方の種類を学ぶ
家にはキャノンデールCAAD12に最初から付いていたMavicアクシウムというホイールが前後とも余っていた為、当初フロントはそれを使おうと企んでいました。フロントハブは100mmなので、ロード用タイヤが使えます。
ラジアル組とかタンジェント組とかって何?
こちらがそのアクシウムになりますが、こういう放射線状にスポークが組んであるのをラジアル組って言うんですね。なるほど。カッコイイですね。軽量化できるとか空気抵抗が減らせるなどのメリットがあるようです。駆動力の伝達には不利だそうでラジアル組はフロント用の組み方と覚えておいてよさそうです。
タンジェント組のJIS組とかイタリアン組って何?
一方、現在のBianchiちゃんのフロント鉄下駄を見てみるとタンジェント組というスポークが交差しているタイプになります。駆動力の伝達や横剛性に優れるそうで、リアは大抵タンジェント組だそうです。
タンジェント組にはJIS組とイタリアン組とあり、またその逆パターンもあったりと、なんか色々あるようなのです。
図のJIS組は見本がそばに無いので想像です笑。間違っていたらすみません…
因みに左右どちらから見てもハブの内側から外側に通すスポークが、進行方向に向かって後ろ側に伸びていくように組むのがイタリアン組というみたいですね。たぶん駆動力の伝達やリムブレーキの制動でのスポークにかかる力を受け止めるのに良いのでしょうね。残念ながら漠然としか理解できていないのですが。。
※尚、左右のスポークの相関関係ですが、図の赤点線を基準に右側の穴にスポークを落とすとJIS組、左側の穴にスポークを落とすとイタリアン組とからしいですが、この後出てくるヨンロク組とかの場合は逆になるなど奥深い世界のようです。
因みにウチの鉄下駄はイタリアン組でした。
2クロスとか3クロス4クロスとかって何?
タンジェント組は更にその交差する数により種類が変わるそうで、ウチのやつは3クロス(6本組)のようですね。
で、リアハブですが、SHIMANO DEORE(シマノ ディオーレ) FH-T610の32H(スポークを通す穴が32って事ね。)を買ってみました。
試しにリアエンドに嵌め込んでみます。135mm…うむピッタリ。当たり前ですが。。
で、今回購入のTNI AL300 のリムの穴数ですが24Hとしました。このスポークの通る穴数ですが「フロント20H、リア24H」みたいな内容をウェブで頻繁に目にしていたので、勝手にそれが流行りなのか?みたいなノリで何も考えずに24Hのリムを買ってしまったのです。
さてさて無事組めるのか?
スポークの組み方やらスポークの長さやらで分からない事の連続…
さて、タンジェント組にJIS組とイタリアン組がある事が分かったのですが、イタリアン組は左右どちらから見ても進行方向に向かってハブの内側から外側に飛び出るスポークが、飛んでいく矢のように後ろに伸びていくイメージが正しいんだなって理解しました。という事はタイヤ自体の回転方向性だけでなく、スポークの組み方的にも方向性があり、逆にしちゃ駄目って事なんですよね…
逆イタリアン組というのもあるらしい。後ろに伸びるスポークが内側-内側になるとか。片側にディスクが付いているディスクブレーキ用ホイールの時の組み方だそうです。
あれ?良く分かんなくなってきちゃったのですが、フロントに限った話にはなりますがイタリアン組のホイールを敢えて逆さまに取り付けた右側の写真の赤線スポークは、ハブの外側から内側に出ているスポークになるのですが、もしこれをJIS組とした場合、逆にこいつがハブの内側から外側に出て進行方向の後ろ側へ伸びる事になります。つまりJIS組はホイールの左右を逆にしようが、右側から見た場合、常に「左の写真の赤線スポーク位置」と同じ感じに内側から外側に出るスポークが進行方向の後ろ側へ伸びていくようになると思うのですが、それで合っているのかな?
ということはJIS組って回転方向性がどっちでも良い時に使うという事??だいぶ混乱してきました。
※後で分かった事ですが、両切りというハブがあるらしく、ギアが左右両方に付いているハブの場合、左右逆にしてもスポークの組み方が同じになるJIS組が使われるそうです。
訳分からんままに32Hハブと24Hリムをどう組むのか考える
タンジェント組のJIS組、イタリアン組については、少し置いておく事にしました。それよりそもそも32Hのハブと24Hのリムをどう組むのか??
調べていると2:1組という完組ホイールによくある組み方で実現しそうな内容を目にしました。
これはフルクラムで採用されている方式のようですね。
レーシングゼロです。
フルクラムの販売店のページを参照しました。
フリー側を14本で、反フリー側をフリー側の半分の7本で組むという物です。左右のスポークテンションを揃える効果があるそうです。特に反フリー側がラジアル組だと見た目もスッキリした感じで一目惚れしました。カンパニョーロはG3組という良く見る3本セットの組み方がありますがそれも同じく2:1組の一種との事。
脱線ついでに、、似た感じでイソパルス組と呼ばれるマビック独特の組み方があります。キシリウムなどで採用されていて、フリー側のテンションが高くなる方をラジアル組してテンションを抑えて、反フリー側をタンジェント組する事でテンション上げる方向にもっていき左右テンションバランス取る方法だそうです。本数は左右同じみたいですが、ジクラル(アルミ合金スポーク)で実現した組み方のようです。
でも僕の持っているキシリウムプロエグザリットSLですが、
イソパルス組とは組み方が逆ですね。良く調べてみるとこのホイールは反フリー側がトラコンプというカーボン素材で作られたスポークで、こちらがラジアル組となっています。スポーク素材の違いからか、テンションの掛け方そのものが変わってこうなっているのか分かりません…メーカー技術力の結晶の前に全くの宝の持ち腐れなワタシ💦(中古のロードバイク用ホイールを買う(MAVIC KSYRIUM PRO EXALITH SL) - ワンゲル部の記録長さん)
ということで、
「よし!フルクラム方式で組もう!」
となった訳です。フリー側16本、反フリー側8本(穴1個飛ばし)で合計24本だからこれでイケるんじゃないだろか??きっとテンションバランスも良くなるぞぅ〜♪ (お気楽…)
spokecalcという、何とホイールの完成イメージが分かってしまう計算機を使いました。(画像参照しております)
(しかしこの組み方について、この後、迷走する事に、、)
因みに2:1組の左右テンションバランスが良い仕組みですが、例えば今回使用するDEORE FH-T610というハブで考えますとこんな感じだと思います。
まずスペック表から数値を拾ってみます。そうしますと写真の黄緑色線のセンターを挟み左のフランジ(赤)までの距離が37.4mmで、右のフランジ(青)までの距離が21.8mmとなるようです。
それっぽく測ってみました、、大体その位の値です。
左側の方がセンターからの距離が長いのでリムから左右のフランジを結ぶ線を見ると右より左の方が角度が寝て長く(赤線)なります。そのため左側のスポークテンションが右側のスポークテンションの半分くらいになるそうです。(赤矢印、数学苦手〜分からん…)なので左のスポーク数が右の半分になる2:1組ならテンションが左右均等になるやん、みたいな事のようです。で、フリー側を3クロス、反フリー側をラジアルで組もうと思い立った訳です。
早速DT SWISSのSPOKE CALCULATOR(https://spokes-calculator.dtswiss.com/en/calculator)というこれまた定番らしいスポーク長の自動計算機で計算し直してみました。計算には購入したリムの正確なERDの値が必要となります。
ERDを求めるにあたりリムの内径とニップルがリムに引っかかる厚みの合計を実際に測ってみたところスペック通りの577mmになりました。なので、これを元に計算しDT SWISS コンペティション2.0/1.8mmというバテッドタイプのスポークを買っちゃいました。
しかし手組ホイールで2:1組はお勧めでは無いらしい
さぁ、週末になりいよいよ組み立てようかとワクワクしていたところ、うっかり目に飛び込んできたのが手組ホイールは通常2:1組はしないとの記事でした。
まじ?
理由として、手組ホイールはJベンドと呼ばれる首折れタイプのスポークを使用する訳で、それを2:1組で使うには不適であるから…だそうです。つまり2:1組だとこのスポークの強度が弱くなっている首折れ部分に負荷がかかり過ぎ、最悪ポキンと折れちゃうとか。。。。
首部分は2.0mmと肉厚ではありますが…
その他にも専門的な理屈で駄目そうな感じなのですが、専門過ぎてついていけません…
でも2:1組は完組の専用設計で初めて成り立つようで、手組の場合だとハブのスポーク穴にも負荷がかかりそうですし、そもそも自分は体重も軽く無いので、
スポーク折れちゃうカモネ、、、
との結論に至り、急遽手組の2:1組は止める事にしました。
どうする?パーツとか買い直しする?
ここに来て振り出しに戻り、もう一回計画を立て直す事になってしまいました。
今回135mmの32Hハブ有りきなので、これを生かしつつ駆動力を支えて且つリムの変形に強くハブに優しい組み方は何なのかを考えます。
ホイールも32Hかなぁ。
で、タンジェント組でテンションのバランスなど考慮し、
「もう一個TNI AL300の32Hを買い足してイタリアン組の"ヨンロク組"という組み方をしてみよう。」
との答えを出してみました。
32Hを追加購入〜…
やっぱり前後同一ホイールがいいかも♪
ところでヨンロク組って何だ?
どうやらフリー側を2クロス(4本組)で、反フリー側を3クロス(6本組)で組む→4と6→なのでヨンロク組との事です。
クロスが多くなればテンションが上がるそうなので、元々理屈上テンションが高かろうフリー側を2クロス(4本組)でテンション低めの方向に振り、テンションが低かろう反フリー側を3クロス(6本組)でテンション高めの方向に振って左右のスポーク仕事量バランスを取るんだろうな、、くらいの理解です。でもそれが一番しっくりくる気がしてきました。
「左右ともタンジェント組なら駆動力伝達にも横剛性にも優れるだろう。捻れにも強そうだし、テンションバランスも良くなれば、きっといい事尽くしなのでは?」
そうなると24Hのリムが余ります。なので24Hのフロントハブを用意してフロントホイールも組む事にしました。
フロントはラジアル組?タンジェント組?どっちにする?
余りリムを使って手組するという、恐ろしく後ろ向きなスタートを切る羽目になったフロントホイール手組プロジェクト。そして24Hです。良く分かりませんが、軽量化がメリットのラジアル組にしては結局24Hにせざるを得ないのってなんだか勿体ない気がします。クロスバイクのフレームってそもそも重いし自分も重いし、フロントでもマイルドな乗り心地で良い気がするのでタンジェント組にしましょう。というかフロントはどっちでもいいような気もしてきましたよ…多分違いは分からんだろう。
少しヤケになってきましたが、左右とも2クロス(4本組)としてみようと思います。タンジェント組にする訳でJIS組かイタリアン組かどちらか決めないといけないのですが、前述の混乱もあり回転方向性を運用上絶対に変えない(ホイールを表裏付け間違えないよう注意する)と誓い、イタリアン組での2クロス(4本組)としました。これで合ってるのかなぁ…
尚、フロントハブはTNI エボリューションライト24Hを選択し発注。約60gと超軽いです。
TNIの販売店サイトから写真拝借しました。スポーク穴の辺りに軽量化を目論んだ肉抜き加工がなされているやる気仕様です。
今一度、スポーク長を計算し出来上がりイメージを見てみました。
再び大活躍のspokecalcに値を入れてみます。
DT SWISS SPOKE CALCULATORでも計算してみます。やっぱりリアの重量は1kgを切りたく、せっかくなのでより軽量スポークのDT SWISS レボリューション2.0/1.5mmにしました。(首折れ部分とネジ切り部分だけが2.0mmで中間が1.5mmのバテッドタイプになります。コンペティションよりも細い部分も長いそうです。)
おぉ前後で1,636g。実際はどうなるかな?
思わず2度目のスポーク購入となってしまいましたが、結論282mmを40本、273mmを16本を買い足す事にしました。
当初見た目重視で、
【before】
◆フロント20H、ラジアル組
- マビック アクシウムのフロントを流用
◆リア24H、2:1組でフリー側3クロス(イタリアン組)、反フリー側ラジアル組
みたいな感じで組もうとしてたのですが、結果として
【after】
◆フロント24H、2クロス(イタリアン組)
- TNI AL300 24H (468g ※実測)
- TNI エボリューションライト 24H (60g ※カタログ値)
- DT SWISS レボリューション2.0/1.5mm
◆リア32H、ヨンロク組(イタリアン組)
- TNI AL300 32H (455g ※実測)
- シマノDEORE FH-T610 32H (369g ※実測)
- DT SWISS レボリューション2.0/1.5mm
に落ち着きました。
2つのリムをマジマジと眺めます。
AL300 24Hと32H。リム幅はそれなりに細いですが気になりません。
もしAL31Wのワイドリム仕様にしていたら、今頃オフセット有り無しって何?みたいな疑問沼に入り込んでいたでしょう。
次回フロントハブとスポークが届いたらいよいよ組み立てです。