ワンゲル部の記録長さん

山ですぐバテちゃう記録長さんの日記

西穂でテント泊

北アルプスの西穂穂高(西穂山荘)でテント泊してきました。f:id:uccari8:20151230215702j:plain

2015年12月30日現在の様子です。ようやく雪山らしくなってきた西穂ですが、暖冬の影響でしょうか?例年に比べるとまだまだ雪が少ないです。ハイマツがやっと隠れたくらいの積雪量です。

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それでも気温は-15℃と低く、冬テントあったか計画実行の為に用意してきたギアを駆使しまくりました。前回までにレビューしましたサーマレストやダウンパンツは、はやり威力ありましたが、中でもMVPモノだったのは、山の師匠さんがお持ちしたこちら、

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住宅向けのアルミ遮熱材「アストロフォイル」という代物。いわゆるプチプチの両側にアルミが貼ってある感じなのですが、これをテントマットとして利用しました。97%の反射率とのことで、地面からの冷気の侵入を許しません。今回テントの床に合わせて120×200cmにカットしたものを使用しました。気になる大きさですが、

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こんな感じです。山地図と大きさを比較してみたところです。ちょっと大きめですね。重さは680gありました。65Lザックの背面にピッタリ収まるくらいの大きさなので、パッキングも苦労はしませんでしたが、もう少しコンパクトになると助かります。それでも雪の上に設営したテントの床に手を置いてもあまり冷たさを感じなかった為、効果は絶大だったと言えます。

翌日30日の天気は晴れ。昨日まで20m/s以上で吹き荒れていた稜線の西風も少しだけ収まってきて16-11m/sと徐々に弱まる予想。絶好の登山日和となり、皆さん西穂高岳独標(2,701m)とその向こう側(ピラミッドピーク、西穂高主峰)に向けて出発して行きました。

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西穂高岳独標です。ビビりの私はここまで。独標と言えども下りの岩と氷の壁には恐怖で足がすくみました。(写真の左側へ降ります。)

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写真は、左からピラミッドピーク、西穂高岳主峰、奥穂高岳。天気が良いせいか、えっ?行っちゃうんすか?ってくらいにぞくぞくと”向こう側”へ向かっていく登山客。

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絶対に滑っちゃダメなところです。一旦滑れば200mは落ちちゃうようなところ。見ているだけで手に汗を握りました。

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小屋近くまで降りてきてようやくホッとしました。寒かったー。

 

冬テントあったか計画

前回のサーマレストに続き、ダウンパンツを買ってみました。MOUNTAIN EQUIPMENTのダウンパンツです。今、石井スポーツ(原宿店)で黒と紺色は20%OFFだと言ってました。(2015.12.26現在)

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11月下旬の燕岳は全然雪が無かったし、ちょっと暖かかったのですが、年末は西穂山荘前でテント張ろうと思うので、色々あったかチェックをしたいと思います。

恒例の重さチェックです。サイズXLで袋込みで249g。軽い。

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軽さ追求でポケットがありません。男性用は前にチャックあります。700+フィルパワーで温かいはず。もっと高スペックのダウンパンツもいっぱいありますが、これはお店入って5分以内の即買いだったので一目ぼれ系です。大切に使いたいと思います。

THERM-A-REST

テント泊で使用するシュラフの下に敷くマットを買い換えました。Theブランドって感じの「サーマレスト」です。

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初代マットは、たぶん17年位前に購入したものになります。180cm全身タイプの厚さ2.5cmの代物で、なかなか快適だったのですが、先日甲斐駒ケ岳に登った際、北沢峠のテント場でパンクしていることに気づき、今シーズンの冬山に備え買い替えました。

当時、このマットを購入した時は本当に感動しました。高校時代から使用していたロールマットに比べ、このエアが入るタイプはとても画期的に思えたかからです。しかし意外にかさばる、結構重いなどの理由により最近では冬以外は別ブランドの120cmマットばかりを使っていました。

今回少しでもテント生活を快適にすべくR値の高いものを探しました。PROLITE PLUSです。厚さは3.2cm。(写真は左が初代マット2.5cmで、右が今回購入の3.2cmです。)

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初代と比べてもだいぶボリューム感があります。実際に寝てみてもかなり弾力が心地よく快適でした。ぐっすり寝られそう。

最初はパンクの心配のないクローズドセルタイプを検討していましたが、やはりあのかさばりが気になり(とは言っても軽くて温かいので実用的ではあるのですが...)結局、エア注入タイプにしました。最近のものは凄いですね、自動膨張式とのことです。注意書きに「口で息を入れると結露して中で凍結する恐れ」とあります。できるだけ自動膨張が良いってことなのでしょうか?

自分、身長が高くないので、168cmの女性用を買いました。ウーマン・レギュラー=WRタイプになります。一般用のRタイプ183cmと同じ重さの570gで、大きさもほぼ同じです。(値段も同じです。)それだけ聞くと、一般用の方がお得のような気もしますが、何と女性用は腰と足元部分を温かくする為、何やら細工がしてあるそうです。R値も一般用の3.4と比べて何と4.2となっているそうです。冬山テント泊の定番サーマレストのクローズドセル「リッジレストソーラー」のR値が3.5ですので、この4.2という値は数値上の話ではありますが、かなり温か仕様と言えます。f:id:uccari8:20151108172832j:plain

たたんでみたところです。(写真は左が今回購入マットで右が初代マットです。)そもそも全長が違いますが、今回購入のPROLITE PLUSは、RタイプもWRタイプもほとんど同じ大きさなので、厚みを増したにも関わらず一回り小さくなった事が分かります。17年の月日の長さと技術革新を感じます。

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袋にしまったところです。見た目はあまり変わらないかも。でも、新しい方が袋もゆとりがあって出し入れしやすい感じです。

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f:id:uccari8:20151108180444j:plain料理用のはかりですが170g違います。あー買って良かったなーと、あれこれ比較して高い買い物を正当化しております。

今年の冬山も楽しみです。

岳沢のキャンプ場に簡易トイレ設置(2日間限定)

シルバーウィークも終盤の9月26日〜28日、上高地から穂高を見上げた途中にある登山基地の岳沢に行ってきました。

毎年恒例になりつつあるのですが、お取引先様が行っている登山基地での薬剤を使用した携帯トイレ実証実験の取材同行です。
2013年は涸沢ヒュッテのカートリッジ式トイレ裏のテラスで、また2014年は涸沢キャンプ場の中で同様の実験を行っており、当ブログでも何度かそのトイレについて取り上げております。
私自身が岳沢は初めてだったので、今回もホイホイと喜び勇んでついて行きました。

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ほっ!トイレ|災害用携帯トイレ|トイレ問題の総合ソリューション企業 株式会社エクセルシア より引用の写真>

 

こちらが、山で使っていただく薬剤を使った携帯トイレ「ほっ!トイレ」になります。石灰が主成分とのことで菌が繁殖しづらく「臭わない」のもウリのひとつだとか。今回も利用頂いた方々にアンケートを取ったのですが、確かに約9割の方が「臭わない」と回答しておりました。しかし何度見ても、この「ほっ!トイレ」というネーミングは馴染むなぁ。本来は災害用の携帯トイレとして作られた物なのに、使わない前提=「災害用トイレ」から使う前提=「山の携帯トイレ」という発想がいつも面白いと思っています。

 

さて、話を戻します。いつもはヘリコプターで実証実験用のトイレ資材一式をあげるのですが、今回はシルバーウィークの影響もあり直前にはヘリコプターが飛ばないというバッド情報が…(背負子とか背負いたくないよう。。)

ビビりまくっている私を不憫に思ってか、お取引先様がコネのある歩荷に依頼をしてくれました。わーい、荷物を持たずに済む~♪

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すみません、大荷物お疲れさまです。。

 

岳沢小屋のテント場は、小屋から涸れた沢を挟んで反対側にまわったところにあります。歩いて5分くらいです。期間限定とはいえ、テント場にトイレがあったらキャンパーの皆さん喜んでくれるのではなかろうか。

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 簡易トイレテントの様子です。

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本当は簡易プレハブ方式のトイレブースを設置する予定でしたが、手続きが間に合わず昨年までと同様のテントタイプのトイレで実験をしました。

 さー、今回は設置後しばらく放置です。シルバーウィークも後半の為か、天気予報が直前まで悪い予報だったせいか、テント場の利用客は少な目でした。2泊3日の期間中おそらく14~5張で延べ20名ほどの人数だったと思います。それでも半数近くの方にこのトイレをご利用いただけたようです。しっかりアンケートにもご回答いただけました。ご協力くださいました方々本当にありがとうございました。

 

しかし本当に紅葉が綺麗です。今年は例年よりも少し早い紅葉だったようですね。ナナカマドはこれからなのかな?

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今回のもう一つの目的は、重太郎新道から登る前穂高岳です。

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カモシカの立場、岳沢パノラマとぐんぐん標高を上げていきます。本当にすごい角度で上がっていきますので、いつまでも下に小屋が見えます。これがほぼ山頂まで続きます。

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紀美子平までくると昨年登頂した奥穂高岳も吊尾根越しによく見えました。写真は、紀美子平で休憩するお取引先様の社長さんです。メットがキマっていますね。

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前穂高岳の山頂は広めです。岳沢小屋で作って頂いたお弁当を食べ、再び重太郎新道へ。下りは特に慎重に行きます。ちょっと怖いかも。

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前穂高岳に別れをつげ下っていきます。そして再び紅葉の樹林帯へ。ここから見る紅葉は特に黄色が綺麗だと思いました。f:id:uccari8:20151008022424j:plain

こちらも黄色い帯状の紅葉が空の青さと岩の白さとの対比で際立っています。

 

仕事ついでに山も楽しめ二倍に充実の山旅でした。 

甲斐駒ケ岳の花崗岩は美しい

何年かに一度の大型連休となった2015年のシルバーウィーク。どこも混んでたのではないでしょうか?まとまった休みが取れるとなると急に浮足立って、まるで計画が立てられなくなる私ですが、今回、山の師匠のお誘いもあり、南アルプス甲斐駒ケ岳に行って参りました。

 

北沢峠のテント場にテントを張ってから双児山方面に向かいます。

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キャンプ場の様子です。テント多かったですが、すごいギュウギュウでもなく、よく探せばスペース見つけられるといった感じでした。

 

さて、双児山へのルートですが、とても静かな道です。連休にもかかわらずほとんど人に会いません。f:id:uccari8:20151008005144j:plain

時折、樹林帯の合間から南アルプスの女王「仙丈ケ岳」が望めました。稜線が綺麗ですね。

そういえば今年の1月は仙丈ケ岳敗退したんだよな。。。戸台から川沿いを苦労しながら北沢峠まで歩いたのにも関わらず、体重オーバーな私は小仙丈までの登りでズボズボと足を踏み抜きまくりながら五合目手前で時間切れとなり、更に吹雪ちっくになってしまい下山を余儀なくされました。。

 

そんなどうでもよい余韻に浸りながら、双児山に着きました。山頂はこんな感じです。

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森林限界を超えるといよいよ南アルプスの貴公子「甲斐駒ケ岳」がだんだん大きく見えてきます。紅葉が少しずつ始まっています。f:id:uccari8:20151008005515j:plain

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駒津峰までくると甲斐駒ケ岳の山頂はもう目の前です。花崗岩が白く輝いていて美しい。

今回は、岩稜直登コースを行くことにしました。岩稜直登コースは、石の大きさが大きく結構全身を使って攀じ登る感じでした。地図上では点線になっていますが、しっかり足場を確保しながら登れば特に難しいコースではありません。

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その後、駒津峰から甲斐駒ケ岳山頂まで2時間弱もかかってしまいましたが、少々バテながらも何とか山頂を踏むことができました。少し雲が出てきてしまいました。写真は山頂の祠です。

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下りは砂礫の道を行きます。摩利支天の紅葉の色づきが美しかったです。

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下りは結構きつかったですね。登りで体力消耗しきったせいか、仙水峠までの道のりも長く感じられたし、仙水峠の岩ごろでだいぶ疲れ切ってしまいました。

途中通過した仙水小屋の水は美味しかったですね。もちろん、テントに戻ってから飲んだビールも最高に美味しかったですが(笑)。

 

以上、シルバーウィーク前半の甲斐駒ケ岳の様子でした。

防災用トイレは再利用される

以前のブログで、お取引先様がメーカーの携帯トイレ(ほっ!トイレ)を富士山で配布したという記事を書きましたが、今度はそのトイレを上高地のすぐ上の岳沢で使ってもらうそうです。時期は今月(2015年9月)下旬を予定しているそうです。今回も取材同行のお誘いが来ましたので行ってきます。(やったータダで山に行けるぜ♩)

トイレなんて、小屋には必ずあるのですが、このメーカーさんが考えていることはこうです。ちょこっと宣伝させて下さい。

1.こちらのメーカーより一般企業へ備蓄用の「防災対策用携帯トイレ」として販売されたものの内、使用期限間近のものを回収。
2.山岳地なとで、その回収したトイレを再利用する。
3.トイレを提供した企業はCSRになる。

ということだそうだ。
フィールドで「してしまう」と確かによくないですからね。自分の出した「モノ」は自分で責任を取るという発想ですな。
実は一昨年前からこの企画のプロモーションをお手伝いしています。
2013年は、涸沢ヒュッテの小屋裏トイレにこの携帯トイレを使用した簡易トイレを試験的に併設。紅葉ピーク時に実験しましたので、トイレ行列の緩和につながった印象でした。
2014年は、同様のトイレを涸沢キャンプ場の真ん中に設置。シルバーウィークだったので、テン場もそれなりに混んでいてテント客の方の利用も頂けた印象でした。

その時の様子がこちらです。
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このトイレ、簡易的な便器状の椅子にビニール袋をしいて、その中にあらかじめ臭わず「ブツ」を包み込むという特殊な薬剤を入れます。し終わったら、ビニール袋ごと縛って捨てるだけなので、水も電気も使わず簡単にトイレを設置できるという訳なんですね。
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個室の中の様子です。簡易的な実証実験でしたので、ちょっと雑っぽいイメージですが、よく工事現場などにあるトイレブースとも組み合わせられるそうです。
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こちらですね。これは乗鞍高原でのスノーシュー客向けのトイレとして、ほっ!トイレを利用した時のものです。

使用済みのゴミ袋は可燃ゴミになるとか、その回収をどうする?とか色々あると思うのですが、とにかく臭わないので扱い易いと思いました。

メーカーさんのサイトです。

山用に小さいパッケージも作ったそうなので、今度見せてもらおうと思います。

FB友達が…

Facebook友達(といっても一回り上の先輩です)が、この休みに奥穂高南陵のバリエーションルートを極めてきたそうです。改めて昭文社山と高原地図を広げてみると、こちら岳沢から右でも左でもなく真ん中を攀じ登るルートではないですか?一般縦走路もままならない僕には神としか言いようがない世界観。カッコいいなー。
奥穂高岳と言えば、昨年初めて登りました。何回か機会はあったのですが、天候やら季節やら様々な理由であと少しのところで、いつもあっさり諦めていました。(結構諦めるの早いです;)
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ジャンダルムがカッコよかったです。
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帰りは涸沢から屏風の耳経由のパノラマコースから下山しました。9月下旬でしたが、もう紅葉は始まっていましたね。

で、今月もお誘いが来たので、今度は岳沢から登ってみよう。